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2012.07.26 (Thu)

入院間際、私の闇。

平成14年の夏。の続き。

その年、まおにとっては小学生になって初めての夏。
夏休みの宿題、プール、花火、動物園、魚釣り、友だちとの約束…
楽しくてわくわくの夏。
まおは、あれやこれや計画を立ててはパパに相談。
もともと、一人娘に甘く子煩悩な主人は、実際の夏休みに入る随分前からあっちこっちにまおを連れていってくれました。

「ブォーーって走ってな…」
「バチャバチャバチャッてしてな…」
「パパが、ぴゅーって行ってな…」
夜になると、まおが今日のハイライトを話してくれるのですが、擬音語が多いし、話すうちに自分で笑い出してしまったりで、さっぱり筋がわかりません。
そのうち、1人で大笑いしてるまおを見ている私までなんだかおかしくなって、2人でげらげら笑う始末。

こんなに笑う病人がいるかな?
こんなに笑う家族がいるかな?
ほんとは嘘なんじゃない?
病気なんて。
もやもや病だなんて。


1人きりの月曜、あてもなく車を走らせながら、私はふいにブレーキを踏むのをやめました。
ぶつかる。あぶない。
もうつかれてしまった。
まおを病気の身体に産んでしまった。
遊びにも連れていけない。
私が連れて行くのは病院ばかり。
私は、母親失格だ。

そのとき、後部座席で衣擦れの音がしたような気がしました。
まおが乗ってるんだった!
我に返って、ブレーキを踏みました。

あと少しで、赤信号の交差点を突っ切るところでした。
後ろを見ても、まおはいません。
気のせいか……


理容師の使うハサミは、安いものでも万単位、少しいいものなら何十万もします。
そのうちの1本、少しこぶりなそのハサミは、手が小さくて握力もあまりない私が、修業時代にローンを組んで買ったものでした。
ぼんやり、そのハサミをみているうちに、私は
「仕事が出来たって、子どもが病気になったら何にもならない」
「24時間、まおに張り付いて様子を見ていてやればよかった」
「もう何もかも嫌になった」
そんな思いに、心を占領されていました。

ふりかぶって、そのハサミを床に叩きつけると、カシャンと音がして、
薄く光った刃先は一瞬にして、ボロボロに欠けてしまいました。
その物体を新聞紙に包み、そのまま捨ててしまいました。

情けなさと、どこにもっていけばいいかわからない悲しみに、私の心は完全に塞がってしまっていました。

それでも、人前ではにこにこと気丈に笑っていた私。
まおを可愛がってくれる、主人や私の両親の心中を思うと、これ以上心配をかけることが出来ません。

大丈夫、大丈夫。

呪文のように唱えながら、じつはそんな呪文などひとつも効かないということを、誰よりも知っていたのは私自身でした、

まおの入院の日が来ました。

続きます。
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